歯医者さんが歯の神経を抜きたくない3つの理由(その3)

神経は、歯に栄養や酸素も運んでいます。神経を失ってしまえば、当然これらは行き渡らなくなり、次第に歯はもろくなります。やがては、硬いものを噛んだときなど、何かの拍子に割れたり折れたりすることも。また、もろくなるだけでなく、腐敗した神経組織や血液成分が歯に染み込み、見た目にも茶褐色~黒っぽく変色することもあります。

このように、神経は目には見えませんが。いろいろな形で歯を守ってくれるとても大事なものです。神経を抜かなくてはならなくなる原因は、むし歯の進行によるものがほとんど。そうならないためにも、ぜひ歯科医院での定期検診をおすすめします。

 

歯医者さんが歯の神経を抜きたくない3つの理由(その2)

神経は、ただ痛みを感じるだけではなく「防御反応」と呼ばれる、むし歯から歯を守る役割も持っています。神経は、むし歯が一定のところまで到達するとそれ以上の進行を防ごうと壁を作り、むし歯の進行や痛みを抑えてくれます。つまり、もし神経を失ってしまうと、むし歯になっても単に痛みを感じないだけでなく、防御する力も失っているため、その進行も早くなってしまうのです。

歯医者さんが歯の神経を抜きたくない3つの理由(その1)

私たちがむし歯などの痛みを感じるのは「神経」があるから。だったら二度と痛くならないように、どんどん神経をとってほしい…。もしそう思っているとしたら、それは大きな間違いです!実は歯科では、むし歯になっても「神経だけは」残せるよう、できるだけの努力をします。なぜなら神経には次のような大切な役割があるからです。

 

むし歯であることを

教えてくれる!

冷たいもの・熱いものがしみれば、「あっ、むし歯かも」と気付きますよね。しかし、神経がないと痛みは感じなくなり、当然むし歯にも気付きにくくなります。誤解が多いのですが、神経がないからといって、むし歯にならないわけではありません。つまり、神経がない歯のむし歯は、気付いた頃にはかなり進行していることが多く、抜歯せざるを得ないことも珍しくないのです。

虫歯になりやすい人、なりにくい人

「虫歯になりやすい人、なりにくい人っているのですか?」

こういったご質問をいただくことがあります。

歯のエナメル質のカルシウム分の量が左右することは事実ですが、それよりも生活習慣の方が大きく影響を及ぼします。
食事以外に常に甘いおやつを食べていたり、清涼飲料水や缶コーヒーなど甘い飲み物をだらだらと飲むといったことは脱灰を起こし続けることになり、虫歯をできやすくします。
だらだらと間食をしたり、甘い飲みものを常に口にするといった生活習慣を改めることで虫歯を予防できます。
また、唾液が出にくくなると、口の中の自浄作用が働きにくくなり、虫歯になりやすくなります。

唾液が出にくくなる原因には病気や薬の副作用、老化、ストレス(ドライマウスの原因になります)などがあります。
食事の時にはよく噛んで食べることで唾液の分泌がよくなり、虫歯予防になります。

虫歯の原因は何?

虫歯は虫歯菌により引き起こされる感染症です。

虫歯菌は口の中にすむ常在菌の一種で、ストレプトコッカス・ミュータンス菌など数種類の細菌のことをいいます。
虫歯菌が直接、歯を害するわけではありません。
虫歯菌は食べ残しなどに含まれる糖分をえさにしており、その糖分を分解したときに出る酸が歯の表面のエナメル質のカルシウムとリン酸を溶かしていくのです。このことを「脱灰」といいます。
ただ、脱灰が起こっても、唾液などの働きによって口の中が酸性から中性に戻り、唾液中にあるカルシウムやリン酸が脱灰したところに埋められ元に戻ります。
このことを「再石灰化」といいますが、私たちの口の中では食事のたびに脱灰と再石灰化が繰り返し起こっています。
虫歯菌とその産生物とが一体となった白くてネバネバした塊が歯垢(プラーク)です。
プラーク内は酸濃度が高いので脱灰と再石灰化のバランスが崩れて脱灰が進み、虫歯の発症の原因となります。
プラークは歯と歯の接触面や歯と歯ぐきの境目などにできやすいため、このした部分は丁寧に歯磨きをする必要があるのです。