歯磨き3大磨き残しポイント

皆さんは毎日歯磨きをしていますか?
おそらくは、ほとんどの人が「Yes」だと思います。
というのも、厚生労働省の調べではなんと9割の方が、毎日歯を磨いているんだとか。
日本人はとても真面目ですね。

しかし!それで安心してはいけません。

「磨いている」のと「磨けている」のとでは大きな違いがあります
実は、ちゃんと磨けている人はわずか2割以下ともいわれており、その結果「磨いているのにむし歯や歯周病になってしまう」という方がたくさんいるのです。
そこで、磨き残しの多い3大ポイントと正しい歯の磨き方をご紹介したいと思います。

 

【磨き残しポイント1】歯と歯ぐきの境目
前歯の表面は比較的磨きやすいためついつい見落としがちですが、歯と歯ぐきの境目を磨く事を忘れずに! 磨かずに放っていると、歯の根にそって菌が入り込み、むし歯はもちろん、歯周病のリスクがとても高くなります!!

ブラシを45度にして磨こう!
歯と歯ぐきの境目を磨くときは、歯ブラシを真横に当てるのではなく、境目に45度で当て、やさしく小刻みに磨きましょう。 前歯の表面を磨いたら、45度にして歯と歯ぐきの境目を磨く…というように決め、磨き残しのないようにしましょう!

 

【磨き残しポイント2】奥歯の噛み合わせの溝
ブラシが届きにくい奥歯は、むし歯や歯周病になりやすく、他の歯に比べ寿命が短くなりがちです。 丁寧に一本ずつ、特に汚れが残りやすい溝はしっかりと磨いて、健康な歯を保ちましょう!

一本ずつ丁寧に磨きましょう!
一気に何本も磨いてしまいがちですが、これでは汚れは取れません。
一本ずつ丁寧に磨きましょう!

 

【磨き残しポイント3】奥歯の噛み合わせの溝
食べカス等がたまりやすい歯と歯の隙間は、歯ブラシが届きません!
実は、歯ブラシしか使わない方は4割もの磨き残しがあるといわれています。
もちろん、そのまま放置すればむし歯や歯周病に…!
そこで大切なのがフロス歯間ブラシを使うこと。

 

フロス
どの隙間にも使う事ができます。
フロスが毎回引っかかる部分はむし歯かも。
早期発見する事ができます。

 

歯間ブラシ
自分のサイズに合うものを選びましょう。
歯間ブラシは歯周病予防にも効果的です。

 

この他にも、歯ブラシの持ち方に注意したり、磨き方のコツはまだまだあります。
また、歯並びや磨き方のくせなどの個人差もありますので、ブラッシング指導をご希望の方はどうぞお声掛けください。
なお、歯石は歯科医院でないと除去できませんので、定期的なメンテナンスも忘れずに!

虫歯になりやすい人、なりにくい人

「虫歯になりやすい人、なりにくい人っているのですか?」

こういったご質問をいただくことがあります。

歯のエナメル質のカルシウム分の量が左右することは事実ですが、それよりも生活習慣の方が大きく影響を及ぼします。
食事以外に常に甘いおやつを食べていたり、清涼飲料水や缶コーヒーなど甘い飲み物をだらだらと飲むといったことは脱灰を起こし続けることになり、虫歯をできやすくします。
だらだらと間食をしたり、甘い飲みものを常に口にするといった生活習慣を改めることで虫歯を予防できます。
また、唾液が出にくくなると、口の中の自浄作用が働きにくくなり、虫歯になりやすくなります。

唾液が出にくくなる原因には病気や薬の副作用、老化、ストレス(ドライマウスの原因になります)などがあります。
食事の時にはよく噛んで食べることで唾液の分泌がよくなり、虫歯予防になります。

虫歯の原因は何?

虫歯は虫歯菌により引き起こされる感染症です。

虫歯菌は口の中にすむ常在菌の一種で、ストレプトコッカス・ミュータンス菌など数種類の細菌のことをいいます。
虫歯菌が直接、歯を害するわけではありません。
虫歯菌は食べ残しなどに含まれる糖分をえさにしており、その糖分を分解したときに出る酸が歯の表面のエナメル質のカルシウムとリン酸を溶かしていくのです。このことを「脱灰」といいます。
ただ、脱灰が起こっても、唾液などの働きによって口の中が酸性から中性に戻り、唾液中にあるカルシウムやリン酸が脱灰したところに埋められ元に戻ります。
このことを「再石灰化」といいますが、私たちの口の中では食事のたびに脱灰と再石灰化が繰り返し起こっています。
虫歯菌とその産生物とが一体となった白くてネバネバした塊が歯垢(プラーク)です。
プラーク内は酸濃度が高いので脱灰と再石灰化のバランスが崩れて脱灰が進み、虫歯の発症の原因となります。
プラークは歯と歯の接触面や歯と歯ぐきの境目などにできやすいため、このした部分は丁寧に歯磨きをする必要があるのです。

予防歯科ではどんな治療をするのですか?

予防歯科は虫歯や歯周病になってからの治療ではなく、歯と歯ぐきの健康を守るための予防を積極的に行うことが中心になります。
具体的には定期検診や歯磨き指導、口腔内の衛生管理などまさしく虫歯や歯周病の予防につながる多彩なアプローチといえます。
とくに定期検診がその中心になりますが、そこでは歯磨き指導をはじめ、虫歯や歯周病に罹患していないのかのチェック、虫歯や歯周病がみつかればすぐに対応するほか、噛み合わせや顎関節の状態など必要に応じて適宜、行います。

歯磨きをちゃんとしているのになぜ、歯周病になるのか?

歯磨きをちゃんとしているのになぜ、歯周病になってしまうのでしょうか?

歯磨きを丁寧にされても、歯の間や歯ぐきとの境など歯ブラシが届きにくい箇所はどうしても磨き残しができ、歯垢(プラーク)をためる原因となります。
とくに歯周ポケットの奧までは歯ブラシは届かないので、磨くことができず、プラークがたまり、歯肉の炎症をひき起こす原因となります。
噛み合わせが悪くて歯ぎしりやくいしばりがあったり、喫煙、ホルモンや栄養バランスが悪いことなども影響します。
糖尿病も歯周病の進行を早めます。

歯周病の治療はどんなことをするのですか?

歯周病の治療の基本は歯周病の原因となる細菌を徹底的に除去することです。
同時に細菌が留まりにくくなるように口内環境を改善することです。
そのため歯科医院では歯の表面ばかりでなく、歯肉の内側の部分(歯周ポケット)に付着した歯石と細菌も除去します。
この治療をスケーリングといって専用の器具を使って取り除きます。
歯周ポケットが深い場合は麻酔をして歯の根の奧にこびりついた歯石と細菌を除去し、表面をきれいにします。
これをルートプレーニングといいます。
こうした治療法を歯周基本治療といいますが、これで治らない場合は歯周外科治療の一つであるフラップ手術を行いなす。
歯ぐきを切開して歯の根元を露出させた状態でそこに付着してい歯石や細菌、汚れを取り除く治療です。
こうして細菌を含む汚れを除去したあとは定期的な検診とクリーニングによって歯と歯肉を健康な状態に保ちます。
→詳しくはこちらのページもご覧ください

歯周病と関連する全身疾患

歯周病原性細菌によって歯周組織に炎症が起き、深い歯周ポケットが形成されるような状態になると、歯周ポケットと呼ばれる溝から生体内に侵入した細菌そのものや細菌由来の病原因子に加え、炎症の場で作られる物質(サイトカイン)が歯肉の血管を通じて血液に流れ込みます。
これにより全身の組織や臓器に何らかの影響を与えると考えられています。
近年、さまざまな研究結果から、歯周病が多くの疾患に影響を及ぼし、その発症や進行のリスク因子になることが明らかにされています。

歯周病と関連があると言われている主な疾患を挙げてみます。

 

メタボリックシンドローム(糖尿病、肥満、高血圧、高脂血症)
脳血管疾患(脳梗塞 )
心臓疾患(心筋梗塞、細菌性心内膜炎)
骨粗鬆症
誤嚥性肺炎
ピロリ菌感染胃疾患
妊娠トラブル(早産、低体重児出産)
骨粗鬆症
関節炎
腎炎
皮膚疾患
発熱
パージャー病(中年喫煙男性に多い)

 

このように、お口の健康が損なわれることが体全体へと影響していきます。
定期的な検診やクリーニングで、お口の中を健やかに保ちましょう。

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(引用 オーラルヘルスと全身の健康 / P&G Professional Health)

歯周病は全身疾患です

歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。

口の中に細菌が定着すると、炎症が起こり、歯ぐきが赤くなったり、腫れたりします。

この炎症が継続して起こると、歯周組織(歯ぐき、歯槽骨など)が破壊され、最後には歯が抜け落ちてしまいます。
現在でも歯周病の予防と治療の最大の目的は、歯が失われることを防ぎ、お口の機能を維持することです。

しかし近年、歯周病はお口の中だけに限られた感染症ではなく、
全身疾患や全身の状態に影響を及ぼすことが明らかになり、
全身の健康を守るためにもお口の健康が重要であると認識されるようになってきました。

すなわち歯周病は、全身の健康を脅かす決して侮れない疾病であるということです。

小倉歯科診療所では、悪くなる前に病気のリスクを見つけ出し、口の中の状態を改善することでむし歯と歯周病になりにくくします。
「悪くなってからの治療」ではなく、「悪くならないための予防」で健康な歯で楽しい人生を送るお手伝いをさせていただきます。

はじめまして、小倉歯科診療所です

はじめまして!
小倉歯科診療所です。

この度新たにホームページをリニューアルし、ブログを綴っていくことになりました。
歯と歯ぐきの健康は体の健康と密接につながっています。
歯科医師として専門的な立場からそういった情報をお伝えしたり、また医院での日常のできごとなどをお伝えしていけたらと思っています。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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