年末をどのように過ごされますか?

早いものでもう12月ですね。年末に向けて慌ただしい日々をお過ごしの方も多いかと思います。

皆さんは年末をどのように過ごされるご予定ですか。中には年越しのイベントに参加するという方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、やはり年末の風習として根強いのは年越しそばの文化ではないでしょうか。由来は諸説ありますが、一つは「細く」「長く」作られるおそばを「健康長寿」を願って、一年の終わりに食べるようになったとされています。まさに「健康寿命」が伸びることを願ったわけです。

 

もちろん、大晦日に家族で来年の健康を願うことも大切ですが、お口のケアも「健康寿命」の増進には大切です。近年ではお口の状態が全身の健康に影響することもわかってきています。師走の忙しさについつい足が遠のきがちですが、やり残した治療はできるだけ年内に終わらせたいですね。それでは、来年も当院をどうぞよろしくお願いいたします。

歯の本数と人生の豊かさ(3)

歯の本数は「認知症」や「転倒リスク」とも関連しています。「歯がまったく無く、入れ歯などもしていない人」は「歯が20本以上ある人(※歯がなくても入れ歯により噛み合わせが回復している人も含む)」に比べて、認知症の発症リスクが1.9倍も高くなるという調査結果があります。

 

また、「歯が19本以下で入れ歯をしていない人」は「20本以上歯がある人」と比べると、転倒リスクが2.5倍という結果も。転倒をきっかけに寝たきりになってしまう高齢者は非常に多く、「認知症」とあわせてここでも「健康寿命」と歯の本数との関連性が見えてきます。

 

高齢になって歯を失う原因の多くは「歯周病」です。歯周病は単に歯ぐきが腫れる病気ではなく、歯を支える骨を溶かしてしまう病気です。しかも自覚症状がなく進行するため「沈黙の病」ともいわれています。「気づいたらもう抜かざるを得なくなっていた…。」そうならないためにも、自覚はなくても必ず定期的に歯科でチェックすること。これは健康で長生きするためのとても大切な習慣のひとつです。

歯の本数と人生の豊かさ(2)

「健康寿命」という言葉を聞いたことがありますか?「健康寿命」とは「元気で健康に自立して過ごせる期間」です。豊かな人生を過ごすためには、単に長生きするだけでなく、「健康寿命」を長くすることが大切です。実はこの「健康寿命」にも歯の本数が関わっていることがわかってきています。たくさん歯が残っている人ほど「寿命」も「健康寿命」も共に長くなります。健康で長生きをするためにも歯はとても大切です。

歯の本数と人生の豊かさ(1)

皆さんは「8020(ハチマルニイマル)運動」という言葉を聞いたことがありますか?これはなんでもおいしく食事をするために「80歳になって20本以上の歯を保とう」という運動です。歯が多いことは、実は食事だけでなく、健康で豊かな人生を送れるかどうかにも深く関係しています。

 

お煎餅・お肉・イカなど、「歯ごたえがあるからこそおいしい」という食べ物がたくさんあります。しかし、歯が少なくなると、食べられるものがどんどん限られていきます。好きなものをおいしく食べられることは、豊かな人生には必要不可欠。歯は20本以上あれば不自由なく食事ができますので、まずは20本以上維持することを目指しましょう。

しっかり噛んで、楽しく長生きしよう!(2)

残っている歯が少ないと・・・

 

①認知症になりやすい

しっかり噛んでいないとアルツハイマーを引き起こす物質が大脳皮質に沈着しやすい=認知症になりやすい

 

②記憶力が低下する

歯が少ない人ほど、記憶をつかさどる「海馬」「前頭葉」の容積が小さい=記憶力が低下する

 

③寝たきりに・・・

20本以上歯がある人に寝たきりの人はほとんどいない。反対に、9本以下で、かつ「入れ歯」も使用していない人は、寝たきりだったり介護が必要なケースが圧倒的に多い

 

歯が少ないからといって、あきらめないで!

たとえ歯がなくなったとしても、それを補う方法はたくさんあります。「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」などです。比較的噛む力が弱いとされる「入れ歯」でも、使っている人とそうでない人では、寝たきりや介護の必要な割合に大きな差があるという調査結果も出ています。「入れ歯だとうまく噛めないから…」とあきらめず、調整して毎日噛み続けることが、健康に長生きするためにとても重要です

 

 

しっかり噛んで、楽しく長生きしよう!(1)

高齢者で健康な人は14.9本

認知症の疑いのある人は9.4本

 

実はこの数字、高齢者の「残っている歯」の平均本数です。

 

最近の研究結果により、多く歯が残っている人ほど「認知症」になりにくいことがわかってきました。

 

これは「噛む」という行為と関連しています。歯が多ければしっかり噛むことができ、その刺激が脳にまで達し、脳の働きを活性化させるのです。実は近年、さまざまな研究結果から「噛む」ことと「健康で豊かな生活」の関わりがより明らかになってきています。

 

さらにしっかり噛めれば、なんでも食べられて消化にもよいため、体全体にとっての栄養面でも差がでます。このように、もはや「しっかり噛む」ことが「健康で豊かな生活」に影響することは明らかです。

 

歯と口の健康週間

毎年6月4日~10日は「歯と口の健康週間」。実はこの週間の歴史は古く、なんと1928年から名称を変えつつ続けられてきました。2012年までの55年間は「歯の衛生週間」という名称でしたので、こちらの方がピンとくる方がまだ多いかもしれませんね。ではなぜ現在の名称に変更されたのでしょうか?

 

そのきっかけは「口腔の健康は、健康で質の高い生活を送るために重要だ」ということが研究によってわかってきたこと。これにより、2011年には「歯科口腔保健の推進に関する法律」が施行され、これが「歯の衛生」だけではなく、「歯と口の健康」という名称への変更につながったんですね。

 

今年の「歯と口の健康週間」の標語は「健康も 楽しい食事も いい歯から」。この機会にご家族みんなで歯科健診を受けてみてはいかがでしょうか。

「健康寿命」と歯の深~い関係 (3)骨折・転倒

骨折・転倒

 

低栄養は筋肉(筋力)にも影響を及ぼします。また、歯を失い噛み合わせが悪くなると、体全体のバランスも崩れてしまいます。「筋力低下」と「不安定なバランス」は当然、転倒・骨折のリスクが高まります。高齢者が骨折すると、そのまま寝たきりになるケースが多いので、注意が必要です。

『健康寿命』を伸ばすことは、幸せな人生にとってとても大切なことです。お口の健康は体全体、人生全体を左右する大切なもの。私たちと一緒に、一本でも多くの歯を守っていきましょう。

 

「健康寿命」と歯の深~い関係 (2)高齢による衰弱

高齢による衰弱

 

歯を失い、食べられないものが増えると、これが低栄養、ひいては全身の衰弱につながります。また、奥歯を全て失った高齢者は、全てある方に比べて動脈硬化のリスクが2倍に高まることが最近の厚生労働省研究班の調査でわかりました。血液サラサラ成分が豊富な緑黄色野菜や魚介類が食べにくく、摂取量が減ることが原因ではないかと言われています。

「健康寿命」と歯の深~い関係 (1)認知症

認知症

 

残存歯や噛み合わせの数が少ない高齢者ほど、脳の記憶や意思・思考をつかさどる部分の容積が減ることが東北大学の研究で判明しています。

 

「噛む」ことは食べるだけでなく、脳に刺激を与えるという重要な役割を担っています。また、意識してしっかり・ゆっくり噛むということも大切です。