クレンチング(噛み締め)にご用心!(3)

クレンチングは多くが無意識のうちに行われます。寝ているときはもちろん、起きているときも何かに集中していると知らず知らずのうちに噛み締めてしまっている方は少なくありません。自覚が無いことも多いので、まずは下のリストでセルフチェックしていただき、心当たりがあるようならぜひ早めに歯科医院に相談してください。

 

チェックリスト

□ 歯の噛み合わせ面が磨耗して平らになっている

□ エラの部分の筋肉が張っている。筋肉の痛みを感じる

□ 歯と歯肉の境目にくさび状に削り取られたような傷がある

□ 耳の穴1センチ手前にあるあごの関節を押すと痛みがある

□ 頬の内側に白い線がある

□ 舌のふちに歯型の痕がついている

□ 下あごの内側の骨が盛り上がっている

□ 上あごの口蓋(こうがい)の中央が盛り上がっている

 

クレンチング(噛み締め)にご用心!(1)

みなさんは、1日で「歯が噛み合っている時間」はどれくらいあると思いますか?実は、歯と歯は普段は「噛み合っていない」のが正常。常に顎が浮いたように上の歯と下の歯に隙間が開いています。歯と歯が触れるのは、食事のときと話をするときぐらい。その時間は1日でせいぜい5分から20分程度と言われています。

 

しかし、食事の何倍もの時間を、なんと無意識に噛み締めている場合があります。無意識にといっても優しい力なんかではありません。大変なことに、食事の時の何倍もの力で噛み締めてしまうのです。これを「クレンチング」といい、無意識にしてしまうので、自分でも気づいていない方がたくさんいます。

新緑の季節となりました

新緑のこの季節を詠んだ俳句に「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」という句があります。目と耳と口、それぞれに季節を感じさせる語が見事に織り込まれていますね。

 

カツオと言えば、今時期の初ガツオと、秋の戻りガツオが旬ですが、「ハガツオ(歯鰹)」という魚がいるのをご存知ですか。種類としてはサバの仲間ですが、外見がカツオに似ていて、鋭い歯を持っているのでこの名がついたそうです。

 

見事な歯のハガツオを初め、魚の仲間は基本的に虫歯になりません。それどころかサメは、次々と歯が生えかわるということで知られていますが、なんと2、3日で新しい歯になるのだそうです。一生で2万本以上もの「替刃」ならぬ「替歯」を使って、獲物を捕り、摂食しているのです。

 

しかし私たち人間には、永久歯は一本ずつしかありません。健康に保つにはお手入れが不可欠。初ガツオも戻りガツオも美味しく頂けるように、ケアをしっかりしてくださいね。