クレンチング(噛み締め)にご用心!(3)

クレンチングは多くが無意識のうちに行われます。寝ているときはもちろん、起きているときも何かに集中していると知らず知らずのうちに噛み締めてしまっている方は少なくありません。自覚が無いことも多いので、まずは下のリストでセルフチェックしていただき、心当たりがあるようならぜひ早めに歯科医院に相談してください。

 

チェックリスト

□ 歯の噛み合わせ面が磨耗して平らになっている

□ エラの部分の筋肉が張っている。筋肉の痛みを感じる

□ 歯と歯肉の境目にくさび状に削り取られたような傷がある

□ 耳の穴1センチ手前にあるあごの関節を押すと痛みがある

□ 頬の内側に白い線がある

□ 舌のふちに歯型の痕がついている

□ 下あごの内側の骨が盛り上がっている

□ 上あごの口蓋(こうがい)の中央が盛り上がっている

 

クレンチング(噛み締め)にご用心!(1)

みなさんは、1日で「歯が噛み合っている時間」はどれくらいあると思いますか?実は、歯と歯は普段は「噛み合っていない」のが正常。常に顎が浮いたように上の歯と下の歯に隙間が開いています。歯と歯が触れるのは、食事のときと話をするときぐらい。その時間は1日でせいぜい5分から20分程度と言われています。

 

しかし、食事の何倍もの時間を、なんと無意識に噛み締めている場合があります。無意識にといっても優しい力なんかではありません。大変なことに、食事の時の何倍もの力で噛み締めてしまうのです。これを「クレンチング」といい、無意識にしてしまうので、自分でも気づいていない方がたくさんいます。

食いしばっていませんか?

過ごしやすい気候の今は、スポーツや紅葉狩りを兼ねての登山を楽しむ方が増える時期です。そのような力を込めた動きをする時には「歯を食いしばる」ことが多くなります。実は歯を食いしばると、ご自身の体重と同じくらいの力が奥歯にかかっています。(女性では40kg、男性で60kgくらい。中には100kgを超える人も!)お口の中の小さな奥歯にこれだけの力がかかっているというのですから、相当な力ですね。

 

また、日常的に食いしばりをしてしまっている人がいますが、歯周病の悪化や顎関節症、頭痛などを引き起こしやすく、決して良いことではありません。普段は上下の歯と歯が触れていないのが正常な状態です。例えば、これを読んでいる今はどうですか?噛みしめていなかったでしょうか。日常的に目にする場所に「食いしばり注意」を喚起するメモを貼っておくだけでも効果はテキメンです。気になる方はぜひお試しください。