歯周病予防で同時にメタボ解消!(2)

近年、口腔内の小さな傷から血管内に入り込んだ歯周病菌が、さまざまな全身疾患に関係していることがわかってきました。

 

その中にはメタボのリスクとしてあげた心・脳血管疾患や糖尿病なども含まれます。糖尿病が歯周病を悪化させ、さらにその歯周病が糖尿病を悪化させる…という負のスパイラルがあることや、動脈硬化をおこしている血管から歯周病菌が見つかった、という報告もされています。

 

正しい食生活を心がけることに加え、メタボには適度な運動、ストレスの解消。歯周病には毎日の歯磨きと歯科でのメンテナンスが大切です。普段の習慣をほんの少しだけ見直してみませんか?

 

歯周病予防で同時にメタボ解消!(1)

実は歯周病を予防することはメタボを防ぐことにもつながります!

その方法は実に単純明快。「良く噛んで食べること!」よく噛むと唾液がたくさん出て、食べカスが歯につきにくくなり、歯周病予防になります。さらに、良く噛むことによって脳内の「満腹中枢を刺激してエネルギーを消費させる物質(神経ヒスタミン)」が活性化されメタボの予防に!よく「ひと口につき30回噛みましょう」といいますが、これはきちんと意味があるのですね。

デンタルフロスと歯間ブラシのよくある質問

フロスと歯間ブラシ、どっちを使えばいいの?

歯間ブラシにはいくつかのサイズがありますが無理なく動かせるサイズにしましょう。一番小さいサイズが入らない場合は無理に使用せずフロスを使いましょう。お口の状態によっても変わりますので詳しくはご相談ください。

 

フロスと歯間ブラシは使い捨てなの?

フロスは使い捨てです。歯間ブラシは毛先が痛んだり、曲がってしまうまで使用できます。ただし毎回しっかり洗って、乾燥させてください。

 

使用すると出血するけど大丈夫?

出血の原因はプラークの中にひしめく細菌が引き起こす歯茎の炎症です。つまり、フロスなどをきちんと使い続けて清潔になれば出血は治まってきます。ただし、しばらく使って治まらない場合は歯科医院にご相談ください。

予防に絶対欠かせない PMTC (2)

みなさんは「バイオフィルム」という言葉をご存知ですか?これは細菌が作り出す「膜」のこと。排水口のヌメヌメもこのバイオフィルムの一種です。この膜に守られて、細菌がどんどん繁殖します。

さらに、バイオフィルムはとても強固で、普段の歯磨きだけで取るのはほぼ不可能。数ヶ月もすれば細菌は驚くほどの量になります。そしてこの細菌が、むし歯・歯周病・口臭の原因です。ではどうすればいいのでしょうか?

 

バイオフィルムや歯と歯の間の歯垢(プラーク)など、普段のセルフケアでは取り除くことのできない細菌を除去する。それがPMTCです。定期的に施術を受けている人は、歯磨きなどのセルフケアだけの人に比べ予防効果が70倍も高いという調査結果も…。効果絶大です!

 

またPMTCにはもう一つ大事なことがあります。それはすごく気持ちがいいこと!気持ちよすぎて寝てしまう方もしばしば…です。

予防に絶対欠かせない PMTC (1)

PMTCとは、日本語では「専門家による機械的歯面清掃」とも呼ばれますが、簡単にいえば、国家資格を持った歯科衛生士などが、専用の器具・器械とフッ化物入りペーストを使って、お口の中を徹底的にきれいにすることです。しかし、ただのお掃除だと思ったら大間違い。PMTCはお口の健康維持には絶対に欠かせない大切な役割があります。

 

Professional     専門家が

Mecanical   専用の器具で

Tooth      歯を

Cleaning   クリーニングする

 

小林一茶!?

秋も深まる頃ですが、今年はまだまだ暑い日も続いています。ところで、「なけなしの 歯をゆるがしぬ 秋の風」という小林一茶の俳句をご存知ですか?一茶は40代から歯が抜け始め、50歳を前に全て歯を失ってしまったそうです。なけなしの歯を秋風が本当に揺らしたわけではないでしょうが、それほど心もとない気持ちだったのでしょう。

 

「かくれ家や 歯のない口で 福は内」「すりこ木の やうな歯茎も 花の春」これは一茶の歯が全部抜けてしまった後の句です。一茶が一年中歯のことで悩んでいたのがよくわかります。もしかすると一茶は歯周病で歯が抜けてしまったのかもしれません。今は昔よりもお口のケアができる時代。毎日の歯磨きと歯科医院でのメンテナンスで、50歳はおろか「80歳でも自分の歯20本」を目指しましょう!

 

成人の8割は歯周病! (3)

糖尿病の悪化・心臓病の原因になる

 

実は歯周病は糖尿病の悪化や心臓病の原因となるほか、妊婦の場合は低体重児や早産の原因にもなります。近年研究が進むに連れ、これ以外にも歯周病菌が体中に周って全身疾患を引き起こしている実態がどんどん明らかになっています。また、お年寄りの場合は死にも至りかねない誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の原因にも。

 

「歯周病を治さないかぎり健康にはなれない」…そう言えるくらい全身の健康と密接な関わりがあるのです。

成人の8割は歯周病! (2)

知らぬ間に進行する!

 

比較的若い頃はむし歯が多いのに対し、歯周病は年をとるにつれて歯がグラグラしたり、抜けてしまったりと目立つ症状が出てくる病気。長い時間をかけて悪化するため、気がつくのが高齢の方に多いだけで、30代でも歯周病がはじまっている方は大勢います

 

これは言い換えると、「自覚症状がないまま静かに進行している」ということ。歯周病で歯を失ってしまったお年寄りは、ある日突然歯周病になったのではなく、若い頃からかかっていたことに気づかず放置してしまっていたのです。知らぬ間に進行し、気づいた時にはもう手遅れ。これが歯周病の一番の怖さといえます。

成人の8割は歯周病! (1)

 

テレビなどでも耳にする「歯周病」。名前は知っていても、実際どんな病気なのか知らない方が多いのでは?今回は歯周病の基本知識とお口の中だけにとどまらないその「怖さ」をお伝えしたいと思います。

 

骨が溶け、歯が抜ける・・・

 

歯周病は単に歯茎が腫れたり、出血するだけの病気ではありません。歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)を少しずつ溶かし、やがては歯が抜けてしまうことに…。成人が歯を失う原因のNo.1は、実はむし歯ではなく歯周病です!

夏バテが引き起こすお口のリスクとは? (2)

口臭の原因にもなります!

 

くさぁい口臭。この臭いの原因の一つが、「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる、舌の上にこびりついた白や黄色に見える苔状のもの。この「舌苔」は実は舌からはがれた細胞や、食べかす、そして細菌などが混ざったもの。

 

夏バテで免疫力が落ち、だ液が減ってしまうと自浄作用が低下し、この舌苔がどんどん増え、口臭を引き起こすことになります。なお、舌苔は専用のクリーナーを使うことで減らすことができますが、口臭は歯周病菌などが原因の場合もありますので、気になる方はお気兼ねなくご相談ください。